No.19(インダス文明からインド文明へ) :
「古代インドに新宗教が成立した時代背景とは何か?」
新宗教の成立は社会変化による。B.C.1000年頃にガンジス川流域に古アーリヤ
人社会の領域が拡大し、鉄の普及によって商工業が盛んになりヴァイシャ(平民)
の実力が上がった。そしてB.C.500年頃にコーサラ国とマガダ国との戦争を背景
に、武人として活躍したクシャトリヤ(貴族)の実力も上がった。これらのことにより
彼らの間に、反バラモン教・反カースト制度の意識が高まり、仏教・ジャイナ教が
成立し、バラモン内部ではウパニシャッド哲学がバラモン教の形式主義を反省した。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
我が国にとって重要な宗教である仏教の成立事情について、意欲的に追究しよ
うとしている。
思考・判断:
仏教・ジャイナ教が成立した時代背景について考察しつつ、それら新宗教とバラ
モン教やカースト制度、ウパニシャッド哲学との関わり合いについても的確に判断
している。
資料活用の技能・表現:
仏教とジャイナ教それぞれの特色を、項目別に整理した表を作成し、有効な資料
として活用している。
知識・理解:
仏教・ジャイナ教が成立した時代背景について、基本的な知識を身につけている。